愛犬の歯に歯石がびっちり!放置していても大丈夫?

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愛犬のお口の中を何気なく覗いてあまりの汚さにびっくりしたことはありませんか?
そう、ワンコの歯に着く歯石は飼い主さんが想像する以上にびっちりと大量に付着してしまう物なんです。愛犬の口臭がきつくなったことで歯石の存在に気が付いた方も多いはず。
この歯石、一体何者なのでしょうか?一度着いたらとれないの?このまま放置していても大丈夫?そんな疑問にお答えしていきます!

歯石とはなんぞや


ワンコに限らず人間もそうですが、歯石というのは唾液に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分と歯垢(食事カス)が結びついて石化したものを指します。歯石の表面はザラザラで更に歯垢を付着しやすくさせるため放置しているとどんどん歯石か巨大化していってしまいます。
一般的に歯垢が歯石になるまでの期間は3日~5日間と言われていますがワンコ達はそのスピードも速く中には1日~2日ほどで歯石化を認めたケースもあったようです。
つまり人間同様、食事後に歯磨きをする習慣がついていれば歯石は付着しないことになります。ですがこれが中々難しいのがワンコ達…お口を触られる事を嫌う子が多いので自宅で歯磨きはおろか唇をめくる事すらできない…!!という飼い主さんがほとんどです。

口臭がきついのは歯石のせい…?

愛犬がペロペロ舐めてくれるのは嬉しいけど「く、、臭い、、、」なんて鼻息を止めてしまう事もありますよね。シニア期以降の飼い主様からよくご相談を受けるのがこの愛犬の口臭問題。これにはやはり歯石が大きく関係しています。確かに歯石そのものも臭いはきついのですが更なる要因は歯石による【歯周病】なんです。歯石は歯の根元から沈着していきます。歯茎にばい菌の塊である歯石が触れ続けていることで歯茎は炎症を起こし膿が出始めることもあります。重度の歯周病になってくると歯茎全体が熟れたトマトのように赤くぼってりとしてきます。若く健康なワンコの引き締まった薄ピンクの歯茎とは明らかに違うの気になる方はまずワンコの歯茎をチェックしてみてくださいね。

取る方法はある?


取る方法はあります!具体的には2つ。【歯処置】麻酔をかけて全ての歯石を取る方法、そして【ハンドスケーリング】無麻酔で身体を抑えながらワンコが取らせてくれる範囲の歯石を取る方法、です。歯石を溶かす系の商品も見かけますが実際に歯石除去を行うほどの効果は得られないかと思います。
そう、よく勘違いされがちなのですが歯石になってしまった以上「歯磨き」では歯石を取ることはできないんです。あくまで歯磨きは歯垢が歯石になる前に綺麗にしましょう、というものであって歯石そのものをなんとかできる手段ではありません(口臭対策などにはいいかもしれませんが)
歯処置は歯根が腐敗し、今後歯肉にいい影響を与えないであろう歯は全て抜歯することが基本です。勿論歯は抜かないでほしい、残してあげたい、というご希望があればできるだけ添いますが麻酔のリスクと大きな金額をかけて行う手術の扱いになりますので再び歯処置を行わなくていいよう一回でできることは全てやってしまう方が結果としてワンコに負担がかかりません。ハンドスケーリングは体を抑えるスタッフと歯石を削るスタッフ、最低でも二人係で処置を行います。麻酔科とは違い痛みを伴う抜歯やはできません。また歯の裏側や奥歯などワンコが嫌がるような細かい場所まできれいにするのは困難です。その代わり15分~30分程度の短時間で終了すること、麻酔のリスクがない事などがメリットとしてあげられます。

放置していても大丈夫?

そうはいっても愛犬もいい歳、今更無理な処置はせずこのまま様子を見たいという方も多いですよね。実際に歯石を放置することでどんな危険があるのでしょうか?
先ず一つ目は口内疾患の発症リスクがあがることでしょうか。前述した通り歯石があることで歯肉は炎症を起こしていきます。炎症が進み重度になってくれば食事が取りにくくなることやよだれが出てくることもあります。また歯根部分に溜まった膿が顔の皮膚を突き破って出てきてしまう【根尖膿瘍】もワンコ達によく見られる疾患です。次にあげられるのが内臓疾患の発症リスク。歯石はいわば毒素の塊なので腎臓や肝臓、心臓にも影響すると言われています。歯石が病気を進行させてしまうこともありますが持病があるとなおの事麻酔下の歯処置はリスクが高く危険なため獣医師と相談する必要があります。

と、ここまでは模範回答ですが実際に動物病院で勤務しているとお口が臭う子や歯石が付きすぎて白い部分は見えないね、なんて子もよく目にします。スタッフは慣れっこなので何も思わないですし、それでも特に処置は受けず長生きしている子も沢山います。中には15歳オーバーのハイシニア期になってから口臭やよだれが悪化し命がけで手術に挑んだ子もいますがスタッフも驚くほど元気に退院しました。お口のケアは子犬期から慣れさせていないと中々させてくれません。結局のところ歯処置やハンドスケーリング後も歯磨きをこまめにしなければ再びあっという間に歯石が付着してしまいます。
愛犬のお口の健康を守るのも、人生の健康を守るのも飼い主様です。放置していて大丈夫、とは言えませんが処置後のケアなども含めてどうしていくかを検討してみてくださいね。

最後に最近処置した重度の歯周病症例をお見せしますね(苦手な方はここまでで!)

この子はほとんどの歯を抜歯しました。
食が強い子だったのですがめっきり食事を食べなくなったとのことで歯処置を行いましたが、術後はもりもり食べられるようになったようです♪

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